『あしたは 生きたい』 文・もりのきつね
絵・はせがわ ゆうじ
実業之日本社 2025年9月
タイトルの「あしたは 生きたい」という言葉の裏には、どんな情景があるのだろうかと気になっていました。表紙の犬の目が何かを訴えているようです。この訴えているような目は、「かわいい」とかいうようなものではありません。この絵本の絵を担当した方は、絵本『もうじきたべられるぼく』の著者である、はせがわゆうじさんです。
この絵本の犬は殺処分される寸前に保護されて命を救われました。殺処分されるということをずっと感じながら生きていたので、今でも夜になると、不安になって怯えることがあります。いつ、「もう いらない」と言われるのではないかと。また、「自分にはあしたは、もうないかもしれない」とふさぎ込んでしまうこともあったそうです。ある日、大地震で建物などが崩壊し、瓦礫の中からの一人取り残された女の子をこの犬が発見しました。その女の子は、「あしたは生きたい」とつぶやきました。殺処分寸前の恐ろしさを知っていた犬が、必死に女の子を探し出したのです。「あしたは生きたい」という言葉の重さを感じさせる絵本です。
(小山)

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