読書のアニマシオン研究会
次回の例会のご案内
2023年10月7日(土)14:00~16:30
場所:明治学院大学白金学舎2号館2201教室
ショート・アニマシオン「25周年記念誌学習会実践編Ⅰ」
アニマシオン「災害のアニマシオン」(増田+α)
参加費:学生無料・会員500円 一般1000円
今こそ読もう、この一冊!!144

『絵で旅する国境』
クドル文 ヘラン絵 なかやまよしゆき訳
文研出版 2750円(税込)
世界には200ほどの国があります。200ほどの国境があるということになります。
本書の作家と画家は六年をかけて世界の国境を回り、さまざまな角度から国境の姿を描き
ました。
国境を超える時の手続き、国境をめぐる争いや人々の願い、国境があっても自由に行き
来して暮らす人々の姿。他の世界を知りたくて国境を越えてきた人類の歴史。国境をこえ
てつながっている宗教や文化、芸術。それらがわかりやすい文章と写真では表せない繊細
かつ壮大な絵で描かれ、見ごたえがあります。
本書を見ると国境がもつ意味を考えさせられます。地球に生きる人は国境を越えてつながっているのだと。中学一年生の世界地理の学習に取り入れたい一冊です。(笠井)
今こそ読もう、この一冊!!143

『ニッキーとヴィエラ』
ピーター・シス著 福本友美子訳
BL出版 2200円(税別)
第二次世界大戦下のヨーロッパ。イギリス人の株仲買人ニコラス・ウィントンはナチス
のユダヤ人迫害から子ども達を守るため、入国許可書を政府に申請したり、時には偽造を
したりして、なんとか子ども達を守ろうと奔走します。結果的に、六六九人もの子ども達
を救うこととなりますが、そのうちの一人がプラハに住む、ユダヤ人の少女ヴィエラでし
た。
多くの子ども達を救ったことを、ニッキーは50年間、誰にも話しませんでした。「私
は英雄ではありません。本当の英雄たちのように、きけんに立ちむかったわけではなく、やるべきことがあったからやっただけです。」にこの本の魅力は詰まっています。重いテーマですが、目を背けてはならないテーマでもあります。高学年以上からの読み聞かせにお勧めです。(宮崎)