読書のアニマシオン研究会
次回の例会のご案内
2023年6月3日(土)14:00~16:30
場所:湯島地域活動センター会議室AB
ショート・アニマシオン「かさについて」(廣畑環)
ストーリーテーリング「かさをささないシランさん」(岩辺&渡部)
ワークショップ「大砲のなかのアヒル」(岩辺&おっさんズ)
参加費:学生無料・会員500円 一般1000円
今こそ読もう、この一冊!!130

『よるのあいだに・・・みんなをささえるはたらく人たち』
ポリー・フェイバー文 ハリエット・ホブデイ絵
中井はるの訳 BL出版
日暮れ、眠る準備をした女の子が、仕事へ出かける母親を見送るところから始まります。多くの人が休んでいる夜間のビル清掃、警備、病院、線路工事・・働く人々の様子や出来事が少女の目線で語ら
れます。多様な人種や建物、乗り物、動物たち。カラフルで美しい絵は、仕事に向き合う人たちのモチベーションを反映しているかのよう。朝お母さんを出迎える家族の表情も素敵です。読んだ後に表紙と裏表紙を見ると、もう一度みんなに出会えます。当たり前の日常を過ごせるのは、人々が支え合っているからだと思いを巡らすでしょう。家庭で、学校で、手にとってほしい一冊です。(平島)
今こそ読もう、この一冊!!129

『バスが来ましたよ』
由美村嬉々作 松本春野絵 アリス館
とある市役所に勤める山崎浩敬さん。難病により、視力を失ってしまいます。慣れ親しんだ通勤のバスも不安で仕方がありません。白杖をつきながらバスに乗ろうとするも、バスが来たのかどうかが分かりません。
そんな時、一人の女の子に「バスが来ましたよ。」と声をかけられます。市役所前のバス停で降りる際も、ボタンが探せず戸惑っていると、「降りまーす。」と女の子の声がします。その少女が小学校を卒業した後も、山崎さんを助ける善意のバトンは繋がれて、定年まであと1年半を迎えます。人と人との関係性が希薄になりがちな時代にあって、心温まる実話を基にした絵本です。温かいタッチの絵からも、子ども達の優しさが伝わってきます。読み聞かせや、道徳の教材にもオススメです。(宮崎)