読書のアニマシオン研究会

次回の例会のご案内

2022年7月2日(土)14:00~16:30

               会場:文京区民センター 3-C会議室

ショートアニマシオン:「ソムリエから学ぶ言葉のアニマシオン

メインアニマシオン「社会科のアニマシオン」

参加費:会員500円 一般1000円 学生無料

申し込み方法は、こちらから↓

 hidehikok@yahoo.co.jp

今こそ読もう、この一冊!!91

『セカイを科学せよ』

  安田夏菜 著 講談社 2021年10月発行

 父は日本人、母はロシア人の藤堂ミハイルは髪は栗色、瞳は茶系でくっきりとした二重まぶたのイケメン。過去の経験から、目立たず、周りにとけこむように努力している中学生。部活は科学部電脳班(別名パソコン班)。父がアメリカ人で母が日本人の転校生、山口アビゲイル葉奈は、縦にも横にも大きくて、髪の毛はモコモコのカーリーヘア、肌の色は、ちょっとミルクの入ったコーヒー色。日本生まれの日本育ちで日本語しか話せない。目立つことを恐れない個性豊かで行動力もある彼女は「蟲」が好きで、科学部生物班を復活させた。複数のツールを持つ対照的な二人が出会い、アビゲイル葉奈の言動に影響され巻き込まれ、ミハイルを初め科学部全員が変わっていく。科学部が順調に進み始めた時、保護者からのクレームが原因で生物班は存続の危機に見舞われ、虫の

飼育だけでなく、科学的な取り組みを行い成果をあげなければならなくなった。「ミジンコの心拍数と水温の関係」というテーマを決め、仮説をたてて、データをとり、検証し、わかっていく楽しさ。みんなで一緒に取り組むのも楽しい。活気もやる気もなく、バラバラだった科学部電脳班と生物班が、一つの目標のために頑張りまとまっていく展開が面白い。(小学校高学年~中学生向け)(廣畑)

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今こそ読もう、この1冊!!90

『生きづらさはどこから来るか』

石川幹人著 ちくまプリマー新書 2012年7月

 「ちくまプリマー新書」は入門書という名にふさわしい本で、中高生以上を対象にわかりやすく書かれた良書が多い。自然科学から社会科学、文学関係まで分野が広い。『生きづらさはどこから来るか』は進化心理学という分野から若者の悩みに答える本だ。悩みの相談に答える本はよく出されているし、新聞でも識者が読者の悩みに答える欄がある。それに比べると、本書はその悩みに答えると言っても直接、具体的に悩みに答えるというのではない。進化心理学という科学から、人間の生きづらさの根本問題を解いている。人間は200万年かけて生きづらさを感じる「意識」をもつように進化してきたのだと。だから人類が進化してきた歴史にその理由があるのだと。悩むことはよくないことだ、その人が弱いからだという意見もあるが、そうではなく悩むのはとても人間的なのだと思えて楽になる。私が本書で衝撃的だったのは双子の研究からの遺伝の強さの結果だ。音楽やスポーツの能力は遺伝の寄与が大きいが言語は大きくないと言う。それだけ言語環境、教育環境が大きいという。私たちが子どもたちに読み聞かせやアニマシオンをやる意味は大きいのだ。本書では進化論や人類学、チンパンジーの本など多くの本が登場する。これらも読みたくなった。

(笠井英彦)

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