読書のアニマシオン研究会

次回の例会のご案内

2023年4月8日(土)14:00~16:30

         場所:アカデミー茗台 学習室A

         「新・こぼれたお話」

     「Yahooニュースでアニマシオン」         

参加費:会員500円 一般1000円 学生無料

今こそ読もう、この一冊!!122

生き続ける民話

最上一平『あらわれしもの』

ささめやゆき絵、新日本出版社22.12

 老人同士の会話からすると、比較的福島寄りの東北の村ではないだろうか。最上さんは

山形県の出身だ。ある山里の限界集落、握(にぎり)集落。老人ばかりの20数軒。一番若

い人が50代。次々と主人公が交代して、語り継がれていく短編集。現代民話集と言った方

がいいだろう。民話はこのようにして、今も生まれ、語られているのだ。

 そんな集落に突然、20代の若者が移って来るというのは、ものすごい“事件”だ。その

話が2編入っている。しかし、あとは老人、大老人たちの話だ。だから、これからもきっと続編は生まれつづけるのだろう。高齢者の生きがいなどがいろいろ紹介されたりするが、こういう「民話語り」の会も楽しいのではないだろうか。(岩辺)

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今こそ読もう、この一冊!!121

『遊びは勉強 友だちは先生』 

「ズッコケ三人組」の作家・那須正幹大研究

 藤田のぼる、宮川健郞、津久井惠、

ポプラ社編集部編  ポプラ社 2022年11月 

 「刊行に寄せて」には2021年7月に79歳で亡くなった那須さんの作品世界が見渡せるようにこの本が作られたとの旨が記されています。

 5章からなっており、生い立ちを追う形での那須さんが残した言葉の紹介、たくさんの作家たちによる作品紹介、那須さんと本作りをした画家や編集者たちによる座談会、そして同時代の作家や編集者、画家、友人たちからの手紙やエッセイが載せられていて、那須さんの作品を読み解き人となりを深めるものになっています。

 いろいろな方の作品紹介では、読み直してみたくなる視点もたくさんありました。今も戦争の危機はあると子どもたちに伝えたかったという那須さん。今までに読んだそう多くはない作品から得た那須さん像をさらに広げてくれる一冊でした。(大谷)

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