1月例会報告
1月例会は2人の学校図書館司書によるアニマシオンでした。小椋博美さんによるショートアニマシオン「東京の島でアニマシオン」と近江弥穂子さんによる「情報の波を乗りこなす~私たちの選択と責任~」のアニマシオンです。二人とも多くの資料を準備しての提案で、学びの多い月例会となりました。
■東京の島でアニマシオン
東京都は4年社会「東京都の特色ある地域の様子」の中で小笠原諸島か八丈島を選択して
学習しているとのことです。小椋さんが勤務する学校図書館では、この島も含め9つの島
のパンフレット資料を提供してその学習を支援しているといいます。その資料を使ってシ
ョートアニマシオンでした。9つのトレーに、伊豆大島、利島、新島、式根島、神津島、
三宅島、御蔵島、八丈島、青ヶ島のパンフレット資料が用意されています。2~3人でチ
ームを作り、チーム名を決め、このどこかの島を担当します。そして、チームで担当した
パンフレット資料を読み込みます。その後、その島の魅力を紹介するアピール文を考えて
書いていきます。例えばこんな発表がありました。「三宅島 鳥の声が道しるべ 生きて
いる地球を感じよう!アカコッコの声 魚屋がない 三宅太鼓 島そのものが日時計 火
山 雄山」。たくさん用意されたパンフレットを見ていくのがとても面白くて、その島に
行きたくなる楽しいショートアニマシオンでした。
■情報の波を乗りこなす
近江さんによるアニマシオンは、今最も求められているともいえるメディア情報リテラシーの小学校高学年向けのアニマシオンでした。
近江さんがこのアニマシオンで押さえたかった言葉(概念)は「システム1とシステム2」という脳のクセ、人が自然に持つ「心のクセ」、心理の偏りである「確証バイアス」、情報の偏りである「フィルーターバブル」、仲間内の強化としての「エコーチェンバー」、注意を奪う仕組みである「アテンションエコノミー」と「アルゴリズム」です。近
江さんはこれらの言葉の意味を実際の事例等を使って押さえていくのではなく、手製の多
くのカードを使って体験をする方法で押さえていきました。
こんな形です。「カレー」「ケールのサラダ」「ティラミス」「たこ焼き」「うどん」「ピザ」「りんご」「チーズ」「からあげ」「お寿司」「豚汁」「焼き芋」「チョコレート」等食べ物が書かれたカードがチームに分けられます。チームは与えられた価値観である「楽しいイベント性」や「健康体に良い」「おいしさ味重視」「雰囲気こだわり」をもとにどの食べ物カードがいいか選んで行きます。例えば「健康体に良い」という価値観のチームは「チョコレート」「豚汁」「ケールのサラダ」「うどん」「焼き芋」を選びました。
次にチームでこの選んだカードを参考にキャッチコピーを作ります。このチームは「健康第一!カロリーは敵!」と書きました。そして各チームから価値観にそってのキャッチコピーが掲示されます。そこからです。参加者はどのキャッチコピーがいいか、自分がいいと思ったキャッチコピーに付箋を貼っていきます。全員分貼られたところで、さらに近江さんが指示します。「キャッチコピーをもっと強い言葉、過激な言葉を考えて作ってください」。この「健康体に良い」というチームは次のキャッチコピーを「天寿を全うしたいでしょ?」としました。これを発表。そして参加者がもう一度付箋を貼っていきます。するとこのチームは1回目は1枚しか貼られなかったのですが、2回目のキャッチコピーでは10枚もの付箋が貼られました。そう、これは「エコーチェンバー」の実体験です。人は強く刺激的な言葉に人は惹き付けられ、その中に嵌まり込んでしまう。このようにカードを使った手法で、「確証バイアス」や「フィルターバブル」「アルゴリズム」等の概念を明らかにしていきました。近江さんは最後にこう締めくくりました。「読書はシステム2を育てる最高のトレーニング」「情報があふれる時代だからこそ、自分の頭でゆっくり考える時間を大切にしよう」。とても良い締めくくり方だと感心しました。今、世界では子どもたちのSNS規制が急速に進んでいます。オーストラリアやEUは16歳以下のSNS法的に規制しました。これについては賛否がありますが、日本は無策です。そんな中で近江さんのアニマシオンは今だからこそ求められている、必要なものだと痛感しました。発達段階にそっていろんな方にやってほしいアニマシオンでした。(記録:笠井)

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