『ねことことり』
作 たてのひろし 絵 なかの真実
世界文化社 2022年 10月
こぶしの小枝を束ねる仕事をしているねこは、窓の外で美しい声で鳴いている小鳥に気
がつきました。その小鳥はねこのところに来て、「7本のこぶしの小枝がほしい」とお願いをしました。小鳥の必死さを感じたねこは、理由も聞かずに、「一日に一本ずつならいいよ」と。ねこは、なぜ、そのように答えたのかを考えてほしいです。さまざまな考えがあると思います。ねこにとって小鳥の歌声は、とっても心地良かったのです。ねこも小鳥も自然なすがたで、話し合うことができたのではないでしょうか。話し合っている場面の絵を見て下さい。どれだけ相手の立場になっているのかが伝わってきます。余計な詮索をせずに小鳥の願いを叶えようとしている光景はとても美しいです。ねこと小鳥の心の交流が描かれているこの作品は、教訓的に何かを教えようとするようなものではなく、大人にも子どもにも心の温かさを感じさせてくれます。細密に描かれている草花、風景などの絵にも感動しました。小学校の低中学年では、内容的には難しいと思いますが、高学年以上ではじっくりと考えながら読める絵本だと思います。 (小山)

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