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10月例会「ことばと絵本で遊ぶ」「岡田淳さんでアニマシオン」

10月例会報告

10月4日、中台小学校で10月例会を開きました。今回はショートアニマシオンが小山公一さんによる「“ことばの絵本”で遊ぶ」、アニマシオンは名鏡琢人さんによる「岡田淳でアニマシオン」でした。

■品物カードでしりとり!

絵本講座に参加したり、図書館で多くの絵本を読んだりして絵本に造詣が深い小山さん。その小山さんがしりとりの絵本を参考に作ったアニマシオンです。今回小山さんが参考にしたのは『たべものやさん しりとりたいかい かいさいします』(シゲタサヤカ著 白泉社)です。このアニマシオンは小売店の品物カードを使ってしりとりを進めて行くという面白いものでした。グループでまずどんな小売店にしたいか考えます。魚屋、パン屋、ラーメン屋、八百屋などです。アニメーターから10枚のカードが配られ、そのカードにお店にある10の品物を書いていきます。例えば魚屋だったら「さけ」「まぐろ」「イカ」「タコ」など。これはワークシートにも記入します。そしてグループ対抗でこのカードに書いた品物でしりとりです。カードに書いてある品物で答えていくのです。「さけ」→「ケーキ」→「消しゴム」という感じです。この勝敗はカードに書いた品物がなくなったグループ

(小売店)が勝者というルールです。しばりのあるしりとりと言えます。これがやってみ

ると面白いのです。しりとり絵本からこのような楽しいアニマシオンを考えた小山さん、

さすがだと思いました。

■放課後の時間割

現在小学校4年生を担任しているアニメーターの名鏡さん。名鏡さんは児童文学作家岡田淳さんの大ファンです。そこで今回は、4年生の授業で岡田淳さんの作品を教材として取り組んだものを月例会向けにアレンジしてやりました。まずアニメーターがやったのが『放課後の時間割』(岡田淳 偕成社文庫)の「それがはじまったわけ」の読み聞かせでした。10分ほど。これによりこの本の構成、学校ネズミが図工教師のぼくに語ったさまざまな話の本であることが理解できます。この学校ネズミのことがわかった上で、まずやったアニマシオンがどんなネズミかを当てるというものです。アニメーターから次の文章が提示されました。「四階だてのあたらしい校舎をたてるために、おかのはずれをそろそろ整理しはじめたころのことでした。整理するというのは、手洗いの建物をこわし、サクラの木を切りたおし、土をけずりとることです」これは次のどのネズミの話かをグループで話し合って当てるのです。

〈三年生のネズミの〉〈四年生ネズミの〉〈五年生ネズミの〉〈音楽室ネズミの〉〈図工

準備室室ネズミの〉〈夜警員ネズミの〉〈運動場ネズミの〉〈職員室ネズミの〉

話し合いの結果、〈運動場ネズミの〉を選んだグループが4つ、〈図工準備室ネズミの〉

を選んだグループが一つでした。その後、ヒントとなる『放課後の時間割』からの抜き書きのプリントが配布されます。その文章を読んで再度グループで話し合います。そして発表。「五年生がドッジボールをやる話だから五年生ネズミ」「運動場での話だから運動場ネズミ」などの意見が出ました。答えは〈五年生ネズミ〉。さらにアニマシオンが進みます。この配られた文章にはタイトルが抜けています。そのタイトルをグループで考えるというのが次のアニマシオンです。再度グループに配られた文章を読んで考えます。「ふたりのすけだち」「表示板」「すけだち」「二人の助だち」「ドッジボール」が発表されました。

最後のアニマシオンは次のようなものです。『放課後の時間割』の中から次の一文が紹介されました。

「井上さんという人が、(       )をしているときのことです。その年は、とくべつ冬がながびいて、四月だというのに、さむい日がつづいていました。」

この(       )に入る言葉は何かを当てるのです。そして、それを当てるために、『放課後の時間割』のある章のプリントが配られました。このプリントから(この学校の夜警員)がわかります。さらにこの文章を読んで、このタイトルをグループで話し合います。これをやっていくとこの話の中に入っていきます。グループからの発表では「手の中のもの、なあんだ?」「これなんだ?」「菜の花」「井上さんの困惑」などが出ました。(『放課後の時間割』では「手の中のもの、なあんだ?」)今回のアニマシオンはやってみるととても面白いし、文章をじっくり読んで考えます。何より岡田淳さんの作品を読みたくなります。児童文学作家岡田淳さんの作品へ誘う見事なアニマシオンだと思いました。名鏡さんが取り組んだ4年生の作品が発表されましたが、「手の中のひみつ」など4年生とは思えないセンスあるものでした。この4年生の授業では「帯づくり」や「ポップづくり」にも取り組んだということです。素晴らしい!!(記録:笠井)