
『やくそく ぼくらはぜったい戦争しない』
那須正幹さく、武田美穂え、
ポプラ社25.2 1800円
ぼくが学校に行くとき、「にいちゃん、いってらっしゃい」と送ってくれ、帰ってくると、「にいちゃん、おかえり」と迎えてくれるばあちゃん。
ぼくは一人っ子なのに。ばんちゃんは1945年㋇㏥の原爆で、にいさんの洋平さん、かあさん、とうさんを失い、一人で暮らした。そして、おじいちゃんと結婚し、ぼくのとうさんが生れた。ばあちゃんの中ではぼくは洋平さんなのだ。
「もしかしたら、ぼくは洋平さんの生まれかわりかもしれない。だったら、ぼくらはぜったい戦争なんかしない。子どもを殺したりしない。かなしい思い出もつくらない。やくそくする。」
これは、那須正幹さん(1942~2021)が被爆70年に合わせた歌の歌詞を依頼されて書いた作品の一つだという。採用されたのは別のもので、これは大事に残された。それを、絵本作家の武田美穂さんが出版社の依頼を受けて作成したものだ。品のある、志の高い、そして、とてもわかりやすい絵本になった。いまこそ、子どもたちと読みたい本だ。(岩辺)
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