
『朗読詩 ひろしまの子』詩
四國五郎 絵 長谷川義史
BL出版 2025年7月
絵本作家の長谷川義史さんが、四國五郎の原爆詩を絵本にしなければと思い、被爆80年の今年、出版されたそうです。『絵本 おこりじぞう』で、四國五郎の画風に驚かされた私は、長谷川義史さんはどのような絵を考えているのだろうかと楽しみでした。四國五郎が原爆のもたらした悲惨な状況を伝えていく中で、長谷川義史さんは生き生きと生活していた生前の子どもたちの笑顔を描いていました。命を奪われてしまった子どもたちの笑顔は、現代のわたしたちに何かを語りかけているような感じです。それは、「ひろしまの子があなたを見つめていませんか」、「あなたを じっと見つめています」などの表現からもうかがうことができます。今の時代を、当時の子どもたちはどのように見ているのでしょうか。
ぜひ、考えてみたいです。言葉と絵で原爆の恐ろしさを訴えたこの絵本は、たくさんのことを読む人に問いかけています。いつの時代でも、「笑顔」が見られる世の中であってほしいと思います。小さな子には難しいかと思いますが、高学年の子どもたちには最後までしっかり読んでほしいです。 (小山)
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