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今こそ読もう、この一冊!!218

『不登校のあの子に起きていること』

髙坂康雅/著 ちくまプリマー新書

       2025年7月10日

 著者は青年心理学を専門とする不登校の研究者です。公認心理士として不登校の子どもや保護者の相談活動もしています。 

 今、日本では不登校の小中学生が34万人いると言われ

ています。その不登校の子どもたちがどん状況にあるのか、また保護者はどんな思いでいるのか、教師はどうしたらいいのか。この本の帯に教育ジャーナリストのおおたとしさんが「煽らない、脅さない、誤摩化されない。これほど丁寧で真摯で冷静で網羅的でバランスのとれた不登校の本を私は知らない。」と書いていますが、さすが的を射た表現だと思います。不登校の現状から始まり、学校にいかない子どものつらさ、保護者の孤立、学校の在り方、危うさもある不登校ビジネス、不登校のその後の進路など、一冊の新書にここまで詳しく不登校について書いてあるのには感心します。教育関係者はもちろん、日本の子どもと教育に少しでも関心のある方に読んでの欲しい一冊です。(笠井)