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今こそ読もう、この一冊!!217

『読めばわかるは当たり前?読解力の認知心理学』

犬塚美輪/著 ちくまプリマー新書 

読解力が教育界で話題となりますが、そもそも読解とは何でしょうか。本書は認知心理学を専門とする著者が読解のプロセスを詳しく解明した本です。 

 著者は読解には3つの目的地があると言います。第一の目的地はカレーライスと聞けば頭の中にカレーライスのイメージが浮かぶ「表層構築」。第2の目的地は「感動した」「泣けた」と思える「心を動かす読解」。そして第三の目的地が「本当かどうかをよく考える」という「批判的読解」です。この3つの読解にたどり着くためにどうすればいいかをとてもわかりやすく説いています。読んで理解することの複雑さがわかります。「自分は読むのが苦手」と思っている方にお薦めの本です。人間の頭の働きの面白さも

わかります。(笠井)