
6月例会報告
夏のような暑さの中、中台小で6月例会を開きました。今回は、藤條さんの「中国内モンゴル自治区に行ってきました」と笠井英彦による「新書deアニマシオン」でした。
■中国内モンゴルの学校は藤條さんが内モンゴルに行くきっかけは学生ボランティアとして中国人留学生が教室に来ているのが縁とのこと。また、留学生の父親が中国内モンゴル自治区で学校を経営しているため、藤條さんは3学期が終わった翌日に、北京経由で内モンゴルに行きました。藤條さんの行動力はたいしたものです。藤條さんは、内モンゴルの烏蘭察布にある学校の写真と動画を見せながら説明をしていました。学校は広大な敷地にある幼稚園から高校までの私立学校。内モンゴルにある学校ですが、生徒のほとんどは漢民族だといいます。校舎の色が赤や黄色だったのが印象的でした。生徒数は多く、1クラス50人から70人。それもあってか授業は一斉授業が多く小集団でのグループワークはあまりやられていないとのこと。写真や動画を見る限り子どもたちはしっかりした姿勢で先生の指示をよく聞いていました。小学校中学年からは姿勢をよくするため背もたれがない椅子が使われていました。制服があり髪型などの規則は日本よりも厳しいようです。寮もあり、そのため夜8時ごろまでやる授業もあるといいます。休み時間は外で運動することになっているようで、縄跳びやボールを使っての運動、またイベント前だったため集団のパフォーマンスをしていました。藤條さんの話を聞くと、視野を広く持ち世界の学校から日本の学校を見つめ直すことの意味を感じました。刺激的な報告でした。

■「新書」の魅力とは
アニメーターの笠井は高校時代から新書をよく読んできました。今でも書店の新書コーナーや新聞の書評での新書チェックは欠かせません。今回は70冊ほどの新書を前に並べ、参加者に手に取ってもらう中でワークショップを行いました。出版不況が叫ばれる中、新書は売れています。毎年ベストセラーも生まれています。その魅力に迫るアニマシオンです。
まず「新書とは何か?」を4人グループで話し合ってもらいました。答えはサイズ。縦が約17cm、横が約11cmの本を新書としている。それだけでなく、「信頼に値する専門家が入門書として書いてある本が多い」「幅広い読者を想定している」「ノンフィクションの本」など答えが出ました。では日本で発行されている本で「新書」とつくものはどのくらいあるか。グループで出し合っていきました。「岩波新書、中公新書、ちくま新書、集英社新書・・・・」30以上、多くの出版社が新書を出しています。
そして次は「新書の歴史クイズ」。
1.日本で新書が刊行されたのは1938年。その新書は?
2.戦後、新書があいついで出版され、御三家が生まれます。それは?
3.戦後のミリオンセラー、437万部を記録した新書は?
4.中央公論社は2008年から「新書大賞」を発表しています。2025年の大賞は?
5.子ども向け新書を最初につくったのは?
答えは(1.岩波新書 2.岩波、中公、講談社 3.『バカの壁』 4.『なぜ働いていると本が読めなくなるのか』 5.岩波ジュニア新書)この後、「ベストセラー」や「本屋大賞」についてスライドを使って説明しました。

さらに、子ども向け新書のアニマシオンになります。前に並んだ新書から子ども向け新書を分けていきます。4つの新書「岩波ジュニア新書」「ちくまプリマー新書」「小学館YouthBooks」「ニュートン超図解新書」が区別されます。この4つの新書にはそれぞれの出版社がお薦めの巻頭文を書いています。それがどこのものかクイズとして当ててもらいました。ここから出版社の意図がわかります。この中で「ニュートン超図解新書」は一昨年刊行されたものです。そのためいろいろ工夫がされています。ではどんな工夫があるのか。「総ルビ」「親しみやすいキャラクター」「4コマ漫画」「メモ欄」などです。
最後に前に並んだ新書の中から読んでみた本を選んでもらい発表してもらいました。『ニュートン超図解新書』や『生きづらい明治社会』、『客観性の落とし穴』、『多動脳』などの発表がありました。幅広い分野で出版されている新書、この新書の魅力を感じてもらう試みでした。
この新書のワークショップをつくるにあたり一番参考になったのは雑誌『サライ』2025年3月号です。前代表に教えてもらいました。2025年3月号で「生きるヒントが見つかる刺激の宝庫 この『新書』がスゴい」という特集を組んでいます。新書の歴史から今までのベストセラーや様々な分野の識者が新書の魅力を語っています。(記録:笠井)
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