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今こそ読もう、この一冊!!208

「ノクターンの旅人たち」 こやま峰子 大日本図書 きみだけの生きかた02

こやま峰子さんが「女性としての生き方の道しるべ」と絶賛するフランスの女流作家ジョルジュ・サンド。その足跡を辿ります。「ショパンの恋人」として広く知られるジョルジュ・サンドは本名をアマンティーヌ・オーロール・リュシル・デュパンといい、幼少期に母の愛に恵まれず、ルイ16世のいとこである祖母に農業地帯であるノアンで育てられます。パリの修道院で学び、献身的で勤勉な女性に育ったオーロールは男性名であるジョルジュ・サンドを名乗り、男装して作家として社交界にデビューします。そこでユゴー、メリメ、デュマ、バルザック、リストなど多くの作家、芸術家と交流をもちます。芸術を生み出す才能を持つ知的な人に惹かれるジョルジュ・サンドはショパン、ミュッセなど多くの男性と恋愛遍歴を重ね、彼らの現実の面で欠けている部分を補い、支えていきます。女性であるがゆえに社会から人間として認められず理解されなかった時代に、自分の信念を貫き通し、生活の糧を得るために書き続けたジョルジュ・サンド。こやま峰子さんが歩んでこられた道と重なって見えてきます。こやまさんのジョルジュ・サンドへの愛をたっぷりと感じられる1冊です。