
『クジラがしんだら』
江口 絵里(著)かわさき しゅんいち(イラスト)
藤原 義弘(監修)
童心社 2024.9
題名もインパクトがあるが、表紙のイラストに惹かれて手に取って読みたくなりました
。クジラが死んだらきっと深い海に沈んで朽ち果てていくのだろうなと想像すると、なにやらにぎやかな感じが伝わってきます。まるでご馳走が舞い降りてきて宴会が始まりそうな予感。
クジラの死に悲壮感を漂わせるのではなく、深海に住む生き物たちが、強者の順にクジラを食べていくのです。まるで命をまっとうしたクジラ自身も望んでいるかのように。どの深海の生き物たちも、おなかいっぱいになったら、クジラから離れていき、また違った生き物たちが登場します。美しい骨だけになって、おしまいなのかと思いきや・・・。長い年月を感じながらも深海に想いを馳せられるすてきな絵本です。(藤條)
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