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今こそ読もう、この一冊!!142

『すなはまのバレリーナ エリアナ・パヴロバのおくりもの』

  川島京子文   ささめやゆき絵

  のら書店 1600円(税別)

ロシア革命で国を追われ、鎌倉の七里が浜の海辺に日本で初めてのバレエ学校を開いた

、エリアナ・パヴロバを描いた作品です。

「バレエはことばのない芸術だけど、その基礎こそが、世界に通じる『ことば』になるの」とエリアナは生徒たちを厳しく、熱心に教えます。戦争が激しくなると、バレエ学校を守るためにエリアナは戦地に慰問に行き、その地で亡くなります。焼け跡に立つ教え子の秋子の胸に浮かんだのは「どこに行っても、何も持っていなくても、身に着けた踊りが一生の財産よ。」というエリアナの言葉でした。革命や戦争に翻弄されながら「魂のある踊り」を伝えた女性の、芸術に生きる喜びと悲しみをノスタルジックな絵が伝えています。(笹島)