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7月例会報告「アニマシオンについて」「It’s a small world?」

  71日(土)梅雨で蒸し暑い中、7月例会を開きました。今回は岩辺泰吏前代表による「アニマシオンについて」のお話と名鏡琢人さんによる小さな生物のワークショップでした。

■アニマシオンをめぐって

昨年は日本に読書のアニマシオンが上陸し、私たちの会ができて25年でした。コロナ禍で大きな取り組みは出来ませんでしたが、事務局メンバーで『ぼくらはアニマシオン探偵団―25周年記念誌―』を発行しました。この冊子は岩辺泰吏前代表による「日本における読書のアニマシオンについて」という理論編と現場で実践している7名による実践編を収録しました。

今回のショートアニマシオンは岩辺前代表による「アニマシオンをめぐって」というタイトルで冊子論考の話でした。以下、話の概要です。

まず、『小さなまちの奇跡の図書館』(ちくまプリマー新書)を紹介し、100万冊の本を置いても手に取ってもらわなければ単なる物になってしまう。本に命を吹き込む。読み手によって命が吹き込まれる。これが読書の面白いところ。そして、本というものの中に命を吹き込むこと、それがアニマシオン。

アニマシオンはフランス発祥の言葉。フランスでは社会文化運動の中でアニマシオンが生まれてきた。学校教育だけでは市民は育たない。余暇を楽しみ、市民運動に参加する中で市民が育っていく。余暇を楽しみ、社会文化運動を進めるそれがアニマシオンで、批判的精神を持った自立した市民の育成することだ。だからアニマシオンは形ではない、常につくり上げていくものだ。私たちのアニマシオンは3つのことを大事にしている。①楽しさ=遊び性「たのしいひととき」を作り出す。②協同性=仲間を発見することこれは「折り合いをつける力になる ③「理解し、楽しみ、深く考える」(M.サルト)目的をしっかりもって啓蒙や技術に目を奪われない。短時間でしたが中身の濃い話でした。今回の冊子の学習会は9月、10月例会でも行います。

It’s a small world?

 名鏡さんによるワークショップは小中学校の理科で使えるアニマシオンで、身の回りにいる小さな生物、その中でもプランクトンを扱ったものでした。

 課題を絞るためにクイズから入りました。「プランクトンって何でしょうか?」

(1微生物 2水中微生物 3水中をただよう微生物 4水中をただよう生物)

答えは4で、水流に逆らう遊泳能力のない生き物がプランクトン。何とクラゲもプランクトンの仲間だとか。ちょっとびっくりしました。

 そして、今回はこのプランクトンの中でもアニメーターが小学校時代から興味をもっているミジンコが主人公です。アニメーターの衣装はミジンコが印刷されたTシャツ、さすがです。

ワークショップはクイズをグループで解く中で進んでいきました。

「ミジンコの眼はいくつ?」「ミジンコは敵から身を守るために、どんな行動をする?」「日本にはどのくらいの種類のミジンコがいる?」「ミジンコはどうやって増える?」「酸素が少ない場所で生きるためにミジンコはどうする?」クイズですべて4択です。

 

この答えはアニメーターによる2冊の絵本『ミジンコでございます』(佐藤まどか著 フレーベル館)『空を飛ぶミジンコのなぞ』(星輝行著 少年写真新聞社)の読み聞かせと説明の中で明らかにされ、これによってミジンコの生態がわかりました。

ただ、今回のアニマシオンはこれだけではありません。そこにミジンコの観察が入るのです。アニメーターが飼育しているミジンコをプレパラートに乗せ、それをスマホに着けた拡大レンズ(これもアニメーターが用意)を使って観察するのです。上手に焦点を合わせるときれいなミジンコが動き回る姿が見えます。これには驚きです。透き通るような身体の中に緑の臓器と頭、目や角がわかるのです。

アニメーターが用意したのはまだあります。ミジンコのペーパーモデルの制作です。アニメーターが参加者各人に15パーツに分かれた部品の入ったセットを配ってくれました。これを指示通りノリを使って貼り合わせるとなんと15センチ四方のペーパーミジンコができるのです。参加者は時間を忘れペーパーミジンコを作成しました。

そして、参加者が驚いたのはもうひとつ。3Dプリントで作ったミジンコの造形物(マクセル株式会社作成)をアニメーターが入手し、それを参加者に披露したのです。15センチ四方ほどの大きさですが、これが本当によくできているのです。美しいミジンコモデルです。

今回はミジンコへの誘いという点で、クイズあり観察あり制作ありの多彩なアニマシオンでした。アニメーターのミジンコへの愛、こだわりが本当によくわかったアニマシオンでもありました。詳細は機関紙『ファンタジスタ』に掲載します。(記録:笠井)