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今こそ読もう、この一冊!!【100】

『ぼくらは物語探偵団 

まなび・わくわく・アニマシオン』

岩辺泰吏編著

柏書房1999.5第1刷1,800円

 この「おすすめの本」100回目にあたって、私たちアニマシオンクラブの初心である第1冊目の本を紹介させていただきます。日本における「読書のアニマシオン」は、スペインのモンセラット・サルト著『読書で遊ぼう アニマシオン 本が大好きになる25のゲーム』(佐藤美智代・青柳啓子訳、柏書房1997.4)によって広がりました。それまで、読書は静かな、孤独なものだったし、文学

教育はテーマを深めていくための逐条解釈的な読解だったから、大変な衝撃的提起だった。

しかし、子どもたちの反応は活き活きとして盛り上がった。

 ここに、友人たちと勉強会を始め、早速にまとめたのが、『ぼくらは物語探偵団』だ。

笠井英彦(静岡)、菊池一朗(高知)、佐藤広也(北海道)、渡部康夫(神奈川)と私の5人だから、のびのびと書いている。 渡部は『エルマーのぼうけん』で8個のゲームを展開している。笠井は「社会科でアニマシオン」として中学校での実践をもとに、「イスラム」「江戸のうんこ」「クイズ日本地理」「僕はニュースキャスター」を。菊池は『十五少年漂流記』の第3代大統領を選ぼうを展開。私は「詩でアニマ依存」を。中でも、佐藤は「俳句探偵団」でこの本の3分の1ほどを占めた。そこで彼が紹介したオリジナル・アイテムは今では“出所不明”のまま小中学校の国語に使われている。 「あとがきに代えて」の中でこう書いていました。

「今、混沌の中で自信を失っている仲間たちに「元気を出そうぜ!」「楽しくやろう!」と呼びかけたいのです。……

 今、教室に求められているのは、先生の笑顔です。新しい発見に「ともに・いまを・生きる」自分のメッセージをこめて、子どもたちの前に立つ先生を待っているのです。……」

 ここには、その後の「読書のアニマシオン」がすべて詰まっていることを発見できることと思います。(岩辺泰吏)