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今こそ読もう、この1冊!!57

『学校が大好き アクバルくん』

 写真・文 長倉洋海 アリス館 

 2021年7月 1400円

 報道されているようにアフガニスタンでは、8月16日、タリバンが首都を制圧し武力で政権を奪い取りました。彼らは国民から選ばれたわけではなく、武力で圧政を敷くという、これはとんでもない暴挙です。 『学校が大好き アクバルくん』の作者長倉洋海さんは、2003年からアフガニスタンのパンシール地方の山の学校を訪れ、学校の設備を充実し、教材費や先生方の給与の援助をするなど日本の支援者と共に学校づくりをしてきました。本書はその山の学校に在籍する小学1年生のアクバル君の1日を追った写真集です。

 アクバルくんの屈託のない笑顔、友達とじゃれあう姿、そして何よりも学びたい、学校が大好きという仕草とメッセージ。アクバルくんの写真を見るだけでも温かな気持ちになってきます。これは現在の日本の多くの子どもたちが忘れてしまった学びへの本来の姿ではないかと思います。1本の鉛筆をとても大事にし、その鉛筆でノートに書くことが大好きなアクバルくん、その姿から日本の子どもたち、保護者、教師が学ぶことは大きいと感じます。 長倉さんは今年7月上旬、この山の学校を訪問しました。長倉さんのホームページによれば、まだパンシール地方はタリバンの勢力下に入ってはいないようです。でも危機は迫っています。もし、タリバンがパンシール地方に勢力を伸ばしてきたら・・・・それを想像するだけでも恐ろしくなります。長年学校を作ってきた長倉さんとしては胸が張り裂ける思いではないかと思います。アフガニスタンのことを他人事とするのではなく、ぜひ関心を持って欲しい、考えて欲しい、忘れないで欲しい。アフガニスタンが大変な状況だからこそ、今、手にとって欲しい本です。(笠井英彦)

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コメント: 1
  • #1

    ゆうた君 (火曜日, 31 8月 2021 09:39)

    出たばかりなのに、図書館で借りられました。
    子どもたちの生き生きとした顔がすてきです。
    この学校のある地域が次の紛争地になりそうで、とても心配です。
    その意味でも、11月例会での長倉さんのお話が聞きたいです。