『むかしむかしあるところに、死体がありました。』 著:青柳碧人 出版社:双葉社
発売日:2019年4月19日 1430円
日本昔話をモチーフにした短編ミステリー集。謎多き「一寸法師」には、そんな過去があったのかぁと感じたり、「鶴の恩返し」のツルを愛おしく思ったり、誰もが知っている昔話を上手にアレンジして、見事なミステリーに仕上げた作者に脱帽。知らない間にページを読み進めてしまい、後半になるほどのめり込んでしまった。
物語の手法もダイイングメッセージ、倒叙、密室殺人などと工夫されていて、古畑任三郎のように楽しめる。また、竜宮城の間取りも描かれていて、物語を読みながら、ページを戻って間取りを見返してしまい、ディティールの詳しさにもうならせられる。1冊の中にいろんな仕掛けがあってユニークだ。小学生の低学年ではブラックすぎるので、高学年から大人におすすめ。昔話を違った視点で楽しめる作品。(藤條学)
コメントをお書きください