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6月特別例会「北の里から平和の祈り」

7月4日(土)日比谷図書文化館にて、7月特別例会を開きました。今回は詩人で作家のこやま峰子さん、北海道アニマシオンクラブの佐藤広也さんを招いての講演・ワークショップでした。今回は昨年、こやま峰子さんが北海道新聞社から発行した『北の里から平和の祈り』の講演と、詩、自由についてのアニマシオンでした。

 『北の里から平和の祈り』は札幌市にある「北海道ノーモア・ヒバクシャ会館」の設立に関する話です。1945年8月9日長崎で被爆し、母と父を亡くしたまり子が、祖母とともに祖母の故郷北海道に帰り、ヒバクシャ会館の設立に関わり、ともに生きてきた小さなマリアさまを提供する話です。この絵本は佐藤広也さんの存在がなければできませんでした。そこで2人はコンビを組んでこの絵本の話をいろいろな会でしているということです。2人の講演は、佐藤さんが本を読み聞かせをし、その絵本の話をめぐっての作家としての想いをこやま峰子さんが語るという慣れたもので、絵本に書かれなかった裏話や書き手の思いがよくわかりました。こやまさんの「楽しい本ではないけれど、知ってもらいたいという思いで書いた」という言葉、また佐藤さんの「今日の聞き手は明日の語り部」という言葉が印象的でした。

 次にやったのがポール・エリュアールの詩『Liberte 愛と平和を謳う 自由』(こやま峰子訳 クロード・ゴワラン画 朔北社)を使ってのアニマシオンです。こやまさんも佐藤さんもこの詩を書いたポール・エリュアールが大好きで、こやまさんはこの詩を訳した思い、ポール・エリュアールの生き方を語り、佐藤さんは「自由」をテーマに、小学1年生から大人まで楽しめるアニマシオンを行いました。こやまさんは、「エリュアールのいう自由は、責任、相手を思いやることが伴うもので、日本で言われている自由気ままにといのは、エリュアールの自由ではない」と言います。佐藤さんがやったアニマシオンは、ポール・エリュアールの詩のはじめと終わりの言葉を使い、その間に入る言葉(自由)を参加者が考え、紙に書いていく、その紙を張り合わせるとなんと『Liberte 愛と平和を謳う 自由』にあるような詩になっていく、そ

れは私たちが考えた「Liberte 自由」だというアニマシオンでした。創造性があり、こんなアニマシオンもあるんだと感嘆。これらの詳細は機関紙「ファンタジスタ」107号に掲載します。(記録:笠井英彦)

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コメント: 1
  • #1

    ゆうた君 (火曜日, 06 7月 2021 11:02)

    被爆者会館のガラスケースの中の小さなマリア像をじっと見ていたというこやまさんが、そこから創作した作品であることに、あらためて感銘を受けました。創作であればこその「行間」が、子の絵本を読んだ何にもの被爆者に「これは私の話だ」と共感させる力が生まれたのだと思った。