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今こそ読もう、この1冊!!40

月刊『たくさんのふしぎ』

2021年4月号「ひと粒のチョコレート」

福音館書店 770円

 福音館書店『たくさんのふしぎ』は、子どもたちに世界にあるたくさんのふしぎと出会わせ、世界はふしぎに満ちていて楽しいものだと思わせる優れた科学雑誌です。

その4月号はチョコレートの特集です。

私は毎年1回、中学生にチョコレートの授業を

組んでいます。実物のカカオ、映像、絵本などを使い、カカオの歴史やチョコレートがもつ

「甘くない真実」を教えています。『たくさんのふしぎ』4月号を読み、これは欠かせない、本号をぜひ子どもたちに紹介したいと思いました。

 地球上にカカオが生育するようになったのは最終氷期が影響したこと。また、カカ

オが育つにはバナナやヒキガエル、クソバエが重要な働きをすること。5千年以上も飲み物とし

て人間と付き合ってきたカカオが、ある発見、発明により固形チョコレートになったこと。そのチョコレートが人類の歴史を大きく変えていったこと等。カカオの特徴や歴史、チョコレートが作られた話がとても詳しく書かれています。それも小学生にわかるような優しい言葉とわかりやすい絵で。子どもから大人までが好むお菓子の王様と言ってもいいチョコレート。本号から人類とカカオとの1万年近い壮大な歴史とチョコレートのふしぎがわかります。(笠井英彦)