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今こそ読もう、この1冊!!28

『10分あったら・・・』

(ジャン=クリストフ・ティクシエ作、ダニエル遠藤みのり・絵 森川泉・絵 

2020年7月20日文研出版1500円

 父の仕事が変わったのをきっかけに、パリから500キロ離れた町に引っ越すことになる。父と母は、前に勤めていた会社を訴えた裁判があり、パリに行くことになり、フェリックスは2日間、一人で留守番をすることになる。電話で父から「10分あったら、おまえの部屋の壁紙をはがすのやっておいてくれ」と頼まれる。

フェリックスは、壁紙をはがしはじるが、壁紙をはがすと、不思議なことが書いてある。隣にすんでいる女の子のレアに聞いてみると、この家で、一人死んでいるという。ネットで調べてみると、10年前に、この家の家主の息子が銀行強盗を働いて、警察につかまっているという。銀行強盗の際に、金の延べ棒が盗まれたが、まだ見つかっていないという。

また、家に来ていた湯沸かし器の修理屋が「探しているものが見つからない」「分け前は半分ずつだ・・」のような、不可解な電話をしているのが聞こえる。フェリックスとレアは、金の延べ棒探しをはじめる。ドキドキハラハラの息をつかせない展開で一気に読み進めることができる。

 

謎解きのミステリーである。読みながら、フランスの子ども達の生活や南西フランスの風景が楽しめる作品でもある。(渡部康夫)