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10月例会「道徳でアニマシオン」

10月10日、台風の接近が心配される中、10月例会を開きました。今回は千田てるみさん、石井啓子さん、大谷清美さんによるショートアニマシオン。名鏡琢人さんによるワークショップでした。

■「昆虫図鑑でアニマシオン」

 千田さんら3名が玉ねぎの皮で染めたお揃いのTシャツで登場。千田さんは農場をもっていて野菜など栽培しますが、一番困っているのが虫の害だといいます。そこで虫を捕まえ、その虫が害虫なのかどうかを昆虫図鑑で調べていると。そこから昆虫図鑑のアニマシオンが生まれたということでした。使用したテキストは『ニューワイド学研の図鑑昆虫』。

 このアニマシオンのねらいは、・昆虫図鑑を身近な生活の問題解決に使う。・図鑑利用のポイントをつかむ。・仲間と共に昆虫図鑑をつくづくながめてみる。の3つです。

 まず、作物についた虫は退治した方がいいかどうかを昆虫図鑑を使って調べました。ここからわかったのは、ナナホシテントウなどはアブラムシを食べる益虫ですが、ニジュウヤホシテントウなどはジャガイモなどの害虫だということでした。 次に、昆虫図鑑の使い方のポイントをワークシートで確認しました。目次は仲間分けになっている。仲間がわかれば目次が使える。図鑑にはその図鑑の見方、使い方のページを見ればいいといことがわかりました。

 最後は、グループで昆虫図鑑を使って調べたいこと、調べたい理由を話し合い、図鑑を使って調べていきました。そこでわかったこと、考えたことをワークシートに記入し、発表しました。アブラムシは昆虫かどうか。小さな蝶を調べてみたい。ダンゴムシのオス、メスの区別はあるのかなどの発表がありました。 昆虫図鑑っていろいろな使い方があるんだ。昆虫図鑑っておもしろいと感じた30分でした。

■「ただいまお仕事中 裏舞台!」

 ワークショップのアニメーターは初めてアニメーターをやる名鏡琢人さん。小学校3年生以上を対象とした仕事を題材にしたワークショップでした。

 まず映像を観ます。この映像はミュージシャンTHE ALFEEの『Best Hit Alfee 2019夏の乱 Battle Starship Alfee』のオープニングです。この映像を観た後、ワークシートが配られ、アニメーターから「この映像から『見える仕事』と『見えない仕事』を見つけましょう」と指示がありました。ワークシートに個人で記入した後、グループで話し合い、そして発表。発表では見える仕事として

・The Alfeeの歌い手 ・ギターリスト 見えない仕事として

・照明係 ・カメラマン ・音量調節 ・衣装メイク係 ・チケットもぎり

・警備委員 などが出ました。

 次に照明、音響、舞台監督の仕事を知るということで、『13歳のハローワーク』から、舞台監督、照明、音響の仕事の抜粋をアニメーターが紹介しました。「照明はコンサートホールの内容、曲目に合わせて、舞台監督と相談しながら、照明プランを作り、照明機材のセッチングと操作を行う。・・・・」などと。また、スタッフがどんな思いで働いているか、ミュージシャンはどう思っているのかを知るため、The Alfee『THE LAST GENESIS 〜40周年の軌跡と奇跡〜』の中の一部を観ました。この映像の中で照明の方は「『これだよ!これを望んでたんだ!』って高見沢さんが言ってくれた。それはもうすごく光栄、いくら徹夜しても頑張ろうっていう気になる。期待に答えなきゃ!」

音響の方は「一本目のライブの背筋に電気が走るような衝撃。音響ができて、そういう仕事ができて、本当にありがたいなと思っている」また、高見沢さんは「終わって『今日最高でしたよ!』って言ってくれる舞台監督は今までいなかった。身近な人間が『OKだ!』って言ってくれるほど、心強いものはな

い。全幅の信頼を置いている。最強のメンバーなんじゃないかなあと自信をもって言える」と語っていました。

 次にやったのが、身近な「見える仕事、見えない仕事」について考えるというワークショップ。アニメーターが勤める学校の朝の登校の映像を観て、「見える仕事」と「見えない仕事」を考えるというもの。これも個人でワークシートに記入した後、グループで話し合い、発表しました。

発表では、「見える仕事」として、・先生の仕事 ・主事さんの仕事「見えない仕事」として、・校舎を開けてくれる人 ・給食の食材を運ぶ人 ・園芸ボランティア ・校舎点検 ・登校見守りの人 ・警備員 ・司書さん など多数の仕事がでました。

 最後にふりかえりとして、このワークショップにタイトルをつけました。グループの発表では、「いろいろな人がいて成り立つ仕事」「いっぱいあるよ見えない仕事」「僕らを支えているたくさんの仕事」「仕事ってたくさんあるね!」などのタイトルがつけられました。仕事について想像し、考えたあっという間の1時間でした。

 さて、このワークショップのねらいは何だったでしょうか。アニメーターのねらいとしては、「一つの仕事はたくさんの見えない仕事に支えられていることを知り、私たちの生活は互いに支え合って成り立つことを理解する」ということでした。

■参加者の感想から

○図鑑の使い方を考えた時に深みを加えられるヒントをしていただいたと思います。昆虫って奥が深いですね。(O)

○昆虫図鑑をじっくり見るのは小学生以来でして。授業準備をする中で、そのままにしてしまいがちな小さな疑問も図鑑を使って調べてみたいと思いました。(H)

○興味の持てる内容から仕事を掘り下げて働くことの意味ややりがいについても学べる内容でした。たいへん充実した勉強会でした。(S)

○コンサートライブから始まるところがいいですね。そして、子どもたちの学校生活に関わっていろいろな仕事があることに気づくようなしかけがいいです。(I)

○子どもの頃に見えない仕事に出会うことで進路の幅が広がるので、とても大切な経験になると思います。今回の学習では、楽しみながら見えない仕事にフォーカスをあて、興味を深めることができました。

○総合が道徳につなげられるなと感じました。私たちの生活が様々な仕事によって支えられていることを知ること、その仕事に対する思いを取り上げることは大切なことですね。低学年でも考えさせたいなと思いました。(A)                          (記録:笠井英彦)

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コメント: 2
  • #1

    ゆうた君 (水曜日, 14 10月 2020 14:15)

    下町の教師だった私の教え子の多くは、「見えない仕事」の側に働いている。運送とか建築とか・・・。今回のワークショップの中では、「見えない仕事」の中でも統べる仕事(演出とか、舞台監督とか)ほど子どもには「見えにくい」と思った。
    これは余談だが、一年生と学校探検をした時、校長室に入って校長先生に質問をした。「こんな広い所で一人でいるんですか?」(「いいなあ…」)「そうだよ」
    そこで、一年生が「なにしてるの?」と聞いた。校長は一瞬絶句して答えられなかった。

  • #2

    Kei (木曜日, 15 10月 2020 10:21)

    ただいまお仕事中 舞台裏
    音楽に関わりたいと思ったときいろいろな仕事がある。学校に関わりたいと思ったときいろいろな仕事がある。一つのの仕事がたくさんの仕事に支えられてるということは、将来たくさんの選択肢があるということ。子どもたちの目の前にたくさんの可能性が広がるというのがいいなと思いました。