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家庭で、学童で、教室で…できる「漢字カルタ」

家庭で、学童で、教室で…できる 「漢字カルタ」

―漢字で アニマシオン

       アニメーター:岩辺泰吏

 はじめに

家庭にこもっているときに、“大きらいな漢字”で遊びましょう。これは、少人数でも、大人数でも、異年齢集団でもできる学習遊びです。今では、このアイデアはあちこちで商品としても使われていますが、大切なことは「手作り」することです。

もう20年ほど前ですが、アニマシオンに取り組んでいる時、3年生の保護者会でお母さん方から、「アニマシオンのおかげで本はよく読むようになったけど、漢字はあいかわらずの大きらいなんでね。先生、〈漢字のアニマシオン〉をやってくださいよ」と、迫られたのです。そこで考案したのが、《漢字カルタでアニマシオン》です。それ以来、各地でやってきて、どこでも大好評でした。家庭でやっても楽しかったという声も届きました。

これは準備過程が大事です。教師であれば、漢字の基本指導のコツが見えてきます。親子でやれば、「漢字ってこういうふうにできているんだ!」となっとくでき、新しい漢字でも分解できる目が育ってきますので、意味や部首、仲間分けの視点が身について来るので、覚えるのも苦手ではなくなってきます。

 

—準備=カードづくり

1 用意するもの

・国語教科書(多様性を楽しむには3年生ぐらいのものがいいでしょう)

 …巻末に「漢字のまとめ・この本で学習した漢字」という表があります。およそ教科書の単元順に並んでいます。

・小学生漢字辞典

…出版社はどこでもいいが、買うなら新しいもの。小学生版がいい。わかりやすく、見やすい。国語辞書を買う場合も同じです。

・カード(たくさん)

 …画用紙を切るのもいいが、私はB6版の「情報カード・無地」横長を左右半分に切って使います。画用紙などを切るより簡単だからです。(家庭に場合もこの大きさの方が遊びとして楽しめます)

・マジック(黒、数本)

 …サインペンよりは太めの方がいい。みんなで囲むので、見やすい。

 

2 作り方

・できあがったカードを見てください。私はこれを「部品カード」と呼びます。

 空=穴+エ

 室=ウ(冠)+至

*ここに注意が必要です。空=ウ(冠)+ル+エ ではありません。でも、楽しむためには両方作っておくといいでしょう。「正確を期す」よりは「楽しむ」ことですから。ただし、カードを作るときには、漢字辞典を引いて確認し、「この漢字はこういうふうに分けておこう」と話しあいながら作業していくプロセスを大事にしましょう。(急ぐ必要はまったくない状況ですから)

 

*サンズイなど、何度も出てきますが、その度にカードにします。ですから、3年生でも300枚以上のカードができます。カードの大きさは同じなので、門がまえやシンニョウ(道)などはいびつになりますが、そこはゲームですから。

遊び方

1 カードを部屋(教室等)に広げま

  す。向きはバラバラ。

2 カードを囲んで丸くなって座る。し

  ばらくどこに何があるか見回す時間

  をおく。チームでやる場合は、2~3

  程度がいい。相談(作戦タイム)は

  ときどき数分、取るといい。考える

  (相談する)時間が漢字の組み立て

  を確認する作業になっている。

3 全員が立ち上がってじゃんけんす

  る。(チームの時は一人だけが立っ

  て、アニメーターと〈王さまじゃん

  けん〉をする)

4 勝った人がカードを拾って「人と木

  で休む」などと言ってその2枚を手元

  に置く。こうして次々とやってき、

  もうできないというところで終

  る。(終わりまでやらなくてもいい)

  「立と木と見で親」なら3枚となる。

5 1年生以下の子がいる場合は、その子を優先するといい。その場合だけ、「目」「手」など1枚でもいいことにする。他の子は2枚以上で組み立てなければいけないことにする。

 

備考

・中学生でもやっていますが、だからといって、中学生の習う漢字を全部カードにする必要はない。3年生カードでも中学で学ぶ漢字は組み立てられる。それがおもしろい。4枚、5枚組などを考え出すチームが出てくると盛り上がる。

・新しい漢字を考えてもおもしろい。

 例:人+虫=ファーブルさん

   走+長=マラソン

・教師であれば、今これを作っておくと、開校が楽しみになりますよ!