10月例会「図書館のハローワーク」

10月5日は10月の月例会でした。今回は三重大学教育学部の大日方ゼミの学生が10名参加してくれたため、42名の参加者がありました。

■ショートアニマシオン「絵本のアニマシオン」アニメーターは大谷清美さんと田邊妙子さん。大谷さんと田邊さんが絵本『このねこ、うちのねこ!』(ヴァージニア カール作 徳間書店 2018年)を使って、「絵本のアニマシオン」を行いました。画用紙からつくったねこのペープサートを各グループに配り、ねこに名前をつけ、餌をやろう。その名前と餌をグループごと発表していく。そこで絵本の読み聞かせ。そして、「ある日、国じゅうにねずみがふえすぎて、どこの家もねこをかわなくてはいけないというきまりができた。警察官が家を捜査に来る。でもねこは一匹だけ。」その一匹のねこのペープサートに最初のグループから最後のグループに回しながら色を塗っていく」というもの。参加者で一枚のねこの絵を仕上げていく面白さがありました。

■メインのアニマシオン「図書館のハローワーク」メインのアニマシオンは岩辺泰吏さん&おっさんずによる「図書館のハローワーク」。5つのグループに分け、5冊の絵本『セロ弾きのゴーシュ』『ごんぎつね』『ブレーメンの音楽隊』『赤ずきん』『はだかの王様』を使い、仕事を考えるという創造性あるアニマシオン。

(1)受付でカードを渡し、参加者はその番号の席に座る。そのテーブルには一冊の物語が置いてある。テーブル席に座れない半分ほどの人もいる。

(2)テーブル席に座った者は自己紹介の後、物語から自分たちのグループが欲しい求人をテーブル席に座れない人からグループに招き入れる。例えば、『ごんぎつね』では、テーブル席メンバーは、きつね(ひとりぼっち、いたずらもの)、男性(貧しい百姓、母と死に別れる)、男性(貧しい百姓、加助)の3人。このグループの求人は、男性(魚の行商)と銃(火縄銃)。

(3)メンバーと求人がそろったところで、そのグループで新しい職業(会社や店など)を考え、その店の看板をつくる。(このグループは「ジビエ料理のレストラン」となった。)

(4)すべてのグループの看板ができたところで発表。

 職業を考えるという創造性あるアニマシオンでアニメーターによると今回のための新しい工夫も取り入れたということ。それについては次号の機関紙「ファンタジスタ」で。アニメーターによれば、このアニマシオンは『まだ名前のない小さな本』(ホセ・アントニオ・ミリャン著 ベリーコ・パストール絵 安藤哲也行訳 晶文社 2005年)を参考にしたとのこと。これは、なかなか大きくなれない小さな本が、その悩みを解決しようと、図書館を探求して回る物語。これをさらに発展させたのが今回の「図書館のハローワーク」で、このアニマシオンは自分の人生を作り変えていいということにつながるのだとの説明がありました。この『まだ名前のない小さな本』を職業のハローワークと結びつけた発想に豊かさ、面白さを感じました。文責:笠井英彦

■参加者の感想

・読み聞かせがとても上手で、物語の世界の中に引き込まれました。活動の中でも歌を活用したり、リズムを使ったり、参加者が入り込みやすい工夫があり参考になりました。

・遊びながら絵本を見ていくと、絵本の世界に入り込むことができた。自由に考えても良かったので、気楽にできて緊張がほどけた。

・話を当てるだけでなく登場人物の特徴を生かした上での新しい仕事を見つける作業を考えることが新鮮で、心から楽しむことができた。何が起こるかわからない不安・緊張があったことが「わくわく」につながっていると感じた。・久しぶりにハローワークのアニマシオンにふれました。あぶれるグループをつくったり、新しい仕事(起業)を考えるのは楽しかった。新しい人生を生きる(拓く)って、おもしろいと思う。