アニマシオンで道徳Ⅵ「希望の牧場」

 4月例会から1300開会~1630終了を原則に、明治学院大学白金キャンパスの教室で開いています。誰でも歓迎、予約不要。まず、ショート・アニマシオンを30分。そして、参加者からの「おすすめの一冊」紹介。休憩後、ワークショップを60分。その後、協議としています。

 今月のショート・アニマシオンは「絵本の楽しみ」をテーマに《クマさん、お出かけ》。家庭文庫も開いている渡部康夫さんがアニメーター。クマさんを主人公とする10冊の絵本の中から「抜け出したクマさん」を掲示し、それをお家(本)に帰そうというゲームだ。『はなをくんくん』『さんびきのくま』などよく知られている絵本もあるが、あまり知られていなかったものの多く、全問正解は半分のチームでした。子ども対象(低学年を想定)の場合はもっとむずかしいでしょうが、「クマの絵本にもいろいろあるんだな」ということがねらいですので、正解は求めてはいないものです。このゲームから、クラブシニアの4人で「おっさんズ」というチームを組むこととして、そのマークにエプロンをすることにしました(写真)。6月(小山さん)、7月(岩辺)が担当しているので、そのサポートをします。

 本番のワークショップは、小学校現役の笹島朋美さんがアニメーター。テキストは『希望の牧場』(森絵都・作、吉田尚・絵、岩崎書店)。原発事故で無人の町となった通りにダチョウが闊歩している写真から入り、現在も牧場で牛(肉牛)を飼いつづけている牧場主の思いを想像し、さらにグループでその行動について考え議論していきました。

 私(岩辺)の感想的意見ですが、この本の作者たちはなぜ「希望の牧場」というタイトルをつけたのか考えてみるのも、面白い議論を誘い出せるのではないだろうか。実際は、この牧場主も見通しとしては「絶望の牧場」であろうと思います。それをあえて「希望の牧場」としたのには、深い議論があったことと思うからです。自分たちだったら、どんなタイトルを付けているだろうかという問いもその後に設定してもいいと思った。

 これは、5月末発行予定のアニマシオン研究会(アニマシオンクラブの本『楽しむ・うたがう・議論する アニマシオンで道徳』(かもがわ出版2,000円)の第1部で紹介しています。初参加の人もたくさんあって、教室などでやってみようとの声が聞かれました。

 

 6月例会は1日(土)1300から1号館1253教室になりますので、ご注意ください。教室番号は必ず控えておいてください。ショート・アニマシオンは「つながりを考えて」(小山公一さん)。ワークショップは「『サプール』」(宮崎大策さん)。その時には本が並びますので、ぜひご覧ください。