9月特別例会「長倉洋海さん講演&スライドショー」

98日(土)13時より、明治学院大学白銀キャンパスにおいて、読書のアニマシオン研究会による特別例会が行われた。(参加者約40名)98日(土)13時より、明治学院大学白銀キャンパスにおいて、読書のアニマシオン研究会による特別例会が行われた。(参加者約40名)

〇 はじめのアニマシオン・ミニワークショップ(増田、福田)105135

 タイトル:「世界の子どもたちと写真で出会ってみて!」

 目的:長倉さんの講演をより主体的に聞くための誘い

 すすめ方:①長倉さんの著書『いのる』『はたらく』『まなぶ』の表カバー・裏カバーを示す。

 ②同じ本の裏カバーと表カバーの組み合わせを考える。

 ③表カバーと裏カバーの写真がどこの国のものか、国名を考える。(国名カード)

 ④本の帯の問いから、各グループで、本の内容や自分たちの答えを考え、画用紙に書いて発表をする。

本の帯の問い:「家で、学校で、社会でいろいろなことを“まなぶ”その先にあるものは…」⇒『まなぶ』

「学びの先にあるものは何か」各グループの回答例:〇明るい未来(2) 〇広い世界(2) 〇豊かな世の中 〇平和な社会と個人の幸福 等と表現していた。

 

※このワークショップで、参加者は長倉ワールドへ引き込まれ講演への期待が高まった。

〇講演&スライドショー

(長倉洋海さん) 140400

はじめのお話:この日の演題「”生きること“を子どもたちから学んだ」は、長倉さん自身が生きることの意味を探し続けていること、そして、その答えは、長倉さんが撮影し続けてきた世界の子どもたちの姿に見出すことができるというお話から始まった。たとえば、ワークショップで紹介された本『はたらく』は、世界の子どもたちの、様々な働く姿が撮影され、それはいずれも美しく、輝く笑顔にあふれている。長倉さんご自身は、子どものころの手伝いは、嫌な記憶としてあるらしい。しかし、世界の子どもたちとの触れ合いによって、ご自身の子ども時代の労働にも、本当は光があったのでは、と考えるようになる。世界の子ども達の姿から、長倉さんは探し続けているものの深く正しい答えを見出すことができることから、今日の演題となった。

スライドショー:マスードの祈り、戦闘地域のタミールでの祈り、ハスの花をささげての祈り、様々な祈りがスライドで示される。祈る姿の美しさ。そして子ども達の笑顔。人々の生活。長倉さんが写真を撮りながら知りあった主人公の状況や交わされた会話、あるいは再訪した時の思い出などが語られる。写真から伝わるもの、お話から深まるもの。「本当にいろんな国があるねぇ」「世界は本当にすごいなぁ」「心だけでも子どもに帰りたい」長倉さんのつぶやきは、参加者の心の声と重なった。このスライドによって、はるか彼方の写真の主人公たちとつながることができたように思えた。

 

 終盤、突然、長谷川伸(股旅物を得意とする劇作家1883~1963)が話題となり、「義理と人情が大切」との話に一瞬戸惑ったが、それは人と人との「つながり」を大切にすることであり、人の好意に誠実に答える事、と解釈した。先ほどの3冊に加えて『つながる』『生きる』『さがす』を本にしたい(あるいは、刊行予定)とおっしゃる長倉さんは、「生き方」を「探し」ながら、世界と「つながり」、それを私たちに伝えてくれているのだと思いつつ、お話の余韻を楽しんだ。(記録 千田)