6月9日(土)13:30~6:30
明治学院大学白金校舎2号館2202教室
今月の例会は「地図で世界を読む」とのテーマで、ショート・アニマシオンもワークショップも統一して行われた。
■ショート・アニマシオン=『坂の上の図書館』でアニマシオン
・アニメーター:小山公一
『坂の上の図書館』(池田ゆみる作、さ・え・ら書房)の挿絵地図をもとに、この物語の舞台である町を想像してみようという呼びかけで行われた。物語の一部を読み上げ、主人公母子が歩いた道をたどってみる。参加者の中には読書会でこの作品を取り上げているので、ストーリーは承知しているが、地図ではとまどうことになった。文章と地図とでは幾分イメージが異なっていて迷ったという感想も出された。しかし、作品に誘うには有効な方法だと思われた)
■ワークショップ=「地図を片手にオリエンテーリング」
・アニメーター:田所恭介
那須正幹・作、西村繁男・絵、『ぼくらの地図旅行』(福音館)は地図をもとに海辺の灯台を目指す一日の冒険の旅である。
ワークショップは次のように展開された。
① まず、スタート地点(鉄道駅前)とゴール(灯台)の2枚の絵を貼り、その間に8枚のばらばらにされた景観(絵)を掲示する。
② 出発点からゴールまでの地図をグループに配布。地図には20のポイントが四角に枠づけられて弁号がふられている。グループは、黒板の8枚の景観は20ポイントのどこにあたるのかを推理し、その順番を用紙に書きだす。
③ アニメーターが本に基づいて、「正解」を示していく。
やってみると、同じような分かれ道がいくつもあったり、思い違いもあったりして、なかなか難しいものだった。8枚が多すぎるのではないかという意見も出た。今年度例会の共通テーマが「私たちの道徳授業づくり」なので、それとの関連の質問が出されたが、地図のテーマでにわかに結びつけるというのは困難だと思われた。まず、「地図に親しむ」ことが大切だと思う。
◆感想から
〇地図を使ってのワークは、文章の世界からひとつ違った思考回路で取り組むことが新鮮でした。ありがとうございました。(S)
〇文学の中で、地図を扱う…。おもしろかったです。そういえば、大人の文学でも風景描写は大きなウエイトをしめていますね。楽しめました。ワークは久しぶりに頭を使い疲れました。やること自体はおもしろかったです。まったく真っ白に消された地図…それだけをつきつけられるとやはり(歴史を思い)ショックでした。(H)
◆アニメーターをして
地図を使って、物語の内容を紹介することができるのではないかと考えました。たとえば、それぞれの場所と主人公とのつながりを考えてもらい、主人公が歩いた道を地図でたどって、その場所を紹介しました。地図を手掛かりにして、本の内容に迫ることができたら良いと思いながらの時間でした。(小山)地図(情報)が変わっていたらどう考え判断するか?を考えることを中心したかった。しかし、地図を見ながら景観を読み取ることは難しい上に、地図が間違っている(改変)とは誰も考えないもの。少し飛躍した“ねらい”設定になってしまい、時間も超過したので、もう少し現場でできるように練らないと…。反省しきり!(田所)