3月「今の日本を考えるアニマシオン」

 

はじめに:岩辺より小咄②

「ウサギとり名人のおじいさんのはなし」

 

本の紹介:渡辺康夫さんが、

「図書館の春を探して」をテーマに絵本の紹介をした。

 

本日のワークショップ:

「“今の日本”を考える」

アニメーター:笹島智美、田所恭介

 

*以下、アニメーターのレジメに沿いながら紹介します。

 

 

〈目的〉・“安保法制”に関わる内容と、それに至る筋道を知る。

 

        ・社会(歴史)の動きについて批判的に考える。

 

〈準備〉

  1. 安保法制に関わる本(議論)を様々な角度から集め、用意する。

  2. 話し合いのための資料を印刷する。

  3. グループの解答用紙を準備する。

 

〈すすめかた〉

 

  1. 明治以来の防衛に関する文書及び政府首脳による発言を5項目並べたプリントが配布され、グループで、その古い人に番号を付けた。明治の太政官布告まで並んでいたが、「やさしく」書き換えられていたので、古さという点では、見分けにくかった。

  2. テキストとして、『新・戦争のつくりかた』(マガジンハウス2014)の見開きページコピーがグループに1枚配布され、別途配布のこの10年ほどに制定された省令、法律の条文で合致する法令を探していった。

  3. 最近の政府高官の発言について、グループで討論して、そのまとめた意見を発表する。

 

〈討論をふまえて…岩辺〉

 

・『戦争のつくりかた』(2014)から、『新・戦争のつくりかた』(2014)までの10年の間に、ひたひたと濁り水が胸が浸かるほどに高まってきたことを感じた。その意味で、あらためて危機を感じるものになった。

 

・ただ、「高校生以上を対象に」考えられたというアニマシオンの提供として、冷静な学習・討論を呼びかけるものであったかと考えると、疑問がある。つまり、ある方向への誘導する資料と受け取られるものと思う。

 

・「素材」とは何か、という丁寧な議論が必要ではないだろうか。例えば、「辺野古新基地建設中断の和解」がなされたが、それをどう考えるか問うときには、裁判所の和解提案、政府の態度表明、沖縄県の態度表明、さらに徐元住民の様々な声、さらに普天間基地の宜野湾市の住民の声など、集めていく努力の上で、「どう考えるか」という議論を呼びかけることになろう。『戦争のつくりかた』そのものがすでに、戦争への歩みに対する警戒として出されているという明確なテキストなので、そのままには持ち込めないだろう。

 

「素材」は、もっと“素”なものでありたいと思う。……以上が岩辺の感想として、当日表明したものです。

 

〈感想〉より

 

●関連する法律(法令)集が、列挙されていることで、こんなに着々と進められてきたのかと、改めて実感しました。「戦争はイヤ」と思っていても、わかっていないと、知っていないと、止める間もなく法の改定が進められてしまう。漠然とではなく、しっかり見つめていく必要をとても感じました。ありがとうございました。

 

 学校現場でのこのアニマシオン実践は難しいと思いますが、参加者を任意で募ってやる場合は、良いのではと思いました。(H

 

●初めて参加しましたが、最初に本の紹介があったのはよかったなと思いました。(参考になります)ニュースのアニマシオンでは、憲法についてよくわかっていなかったことや、様々な法律が着々と整備されていることをあらためて確認できる形になった。また、憲法を考えるうえで、かなり役に立つアニマシオンだったと思う。内容をもう少し簡単に、わかりやすく工夫してみたら、小学校高学年や中学でも使えるのではないかと思いました。憲法、法律、政治に関心を持つきっかけになったり、自分たちの国について考えたりすることのできる内容ではないかと思う。現在の政治を残念に思うし、危機感を覚えました。

 

 

 

 

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コメント: 1
  • #1

    takoyaki/rennkonn (日曜日, 10 4月 2016 21:29)

    「今の日本を考える」例会に参加しました。法律の条文を読むなど、なかなか普段はしないことなので、よい学習の場となりました。『戦争のつくりかた』をテキストにして、グループや全体の交流ができたことも今の時期に大切な学びとなりました。
     対象を小学生と想定するならば、子ども自身の生活や問題意識から出発するアプローチを工夫したいと思います。
     難しいテーマですが、私にとって貴重な問題提起となりました。