1月「長倉洋海さんとアニマシオン!」

内容:①ワークショップ:長倉さんの写真集・著作、展示用パネルを用いた「売り出し」

②長倉さんのスライド・トーク「世界は広く 美しい」

 いい一日でした。アニマシオンクラブが活動以来3回目になるだろうか、写真家長倉洋海さんを招いて、ワークショップとスライドトークを行いました。ワークショップは、長倉さんの作品パネルやポスター、そして持ち寄ったたくさんの写真集・著作から3点を抜き取って、テーマを与え、キャッチコピーを考えるという活動。私たちのグループは「川」を真ん中に配した作品3枚を選び、「生命の源・水」をテーマに、「流れる、渡る、結ぶ(橋)」というキャッチフレーズで発表しました。これだけ、追っかけをしているのに、手にしていなかった本が何冊かあって、長倉さんのお仕事の広さを再認識した次第。

 スライドトークは、機械の調子が悪くて申し訳ないことをしてしまいました(明学が会場だった)が、内容はとっても豊かなものでした。特に、結びに入って、今の日本、世界の現状に触れて、「自分が進んで知ろうとすること」「流されないこと」「批判的に考えること」を話されたことに参加者は感銘を深くしました。ここでは、3人の感想を紹介させてもらうことで、内容の一端をお知らせいたします。

○情報が入手しやすい現代社会にあって、“知ったつもりになってしまう”という言葉が印象に残りました。そして、情報を提供しているひとつであるメディアが偏った報道をしているんだということを肝に銘じておかなければならないと思いました。“本当の豊かさ”を考えること、話すこと、ほかの人たちと一緒にやっていき、つながるべき人々とつながって⇒「過去から未来へつながっていく」ことを大切に、今を生きていきたいと思いました。とても感じることの多い時間でした。ありがとうございました。

○「美しいものを見ても、美しいと感じる心がないと、つながらない“という言葉が心に残りました。

この言葉はいろいろなとらえ方につながると思いました。何かと何かの壁になることの根底にあると思いました。また、世界のことも、社会の状況も、恥ずかしいほど知らない私が、印象に残ったことは、「温故知新」。やはり、伝統や文化があって、今があること、今を知るのは、その背景を知ることが大切であると改めて思いました。

○私は、特別支援学校に勤務し、教育という世界にいても少数派の中にいます。その子に合った教科書はなく、いつも社会につなぐには何がよいか?を考えますが、必ず社会や制度にぶつかってしまいます。制度はどんどんいい言葉で進み、深く学ばない人たちは、特別支援は良い、力が入っていると思ってしまうなか、一人一人に向き合う環境が整っている現場は少なく、やはり、相手と社会と自分がやるべきことをしっかりみる、一人ひとりの努力が必要であると感じました。長倉さんの「自分の目で見て考える」取組に力をもらいました。

○今回初めて参加させていただきましたが、とても勉強になりました。たくさんの国の写真、景色や人びとを見ることができて良かったです。なかには、戦争がまだある国もあり、長倉さんがおっしゃっていた「瞳の中に戦争がうつっている」という言葉が、写真の中の人の表情から感じました。今回の講演を聞き、同じ人間でも、育った環境や文化によって違いが生まれるということがわかりました。日本より貧しい国の子どもたちも写真の中にいましたが、写真の子どもの瞳は輝いていて、本来の豊かさについて考えていかなければいけないと思いました。ありがとうございました。(学生)

 ・・・、こうした感想を読んでいると、ああ、やってよかった、続けてきてよかったなあと思います。自分の持ち場を大事に、豊かに学び合える場にできるよう、がんばることが、この現実への発言の仕方でもあると、励まされます。(以上:岩辺)