読書のアニマシオン研究会

次回の例会のご案内

2025年5月10日(土)14:00~16:30

     場所:板橋区立中台小学校図書室

ショートアニマシオン:こやま峰子さんでアニマシオン(平島)

特別例会:こやま峰子さんをお招きして

 参加費:一般1000円 会員:500円 学生無料

お問い合わせ先 hidehikok@yahoo.co.jp 笠井

岩辺元代表による「谷川俊太郎通信2」 

〜次回、アニマシオン研究会例会のご案内〜

 こやま峰子さんを教科書掲載の詩「月」や「手と手であいさつ」の曲で、ご存じの方も多

いでしょう。東京・蒲田で幼少期を過ごしたこやまさんは9歳で戦争という時代に置かれます。平和・いのち・愛をテーマに創作活動をされてきたこやまさんに、詩を書き始めた背景や戦争中の体験と平和への思いを伺います。また、ショパンを支えヴィクトル・ユーゴーやマルクスとも交流があり、フランスの女性権利運動を主導しつつ文学作品を書き続けたジョルジュ・サンドの研究家でもあります。サンドの存在が、こやまさんの創作や人生の道しるべになっているとのことです。詩や絵本の出版予定もお話しくださるでしょう。ぜひ、ご参加ください。

今こそ読もう、この一冊!!208

「ノクターンの旅人たち」 こやま峰子 大日本図書 きみだけの生きかた02

こやま峰子さんが「女性としての生き方の道しるべ」と絶賛するフランスの女流作家ジョルジュ・サンド。その足跡を辿ります。「ショパンの恋人」として広く知られるジョルジュ・サンドは本名をアマンティーヌ・オーロール・リュシル・デュパンといい、幼少期に母の愛に恵まれず、ルイ16世のいとこである祖母に農業地帯であるノアンで育てられます。パリの修道院で学び、献身的で勤勉な女性に育ったオーロールは男性名であるジョルジュ・サンドを名乗り、男装して作家として社交界にデビューします。そこでユゴー、メリメ、デュマ、バルザック、リストなど多くの作家、芸術家と交流をもちます。芸術を生み出す才能を持つ知的な人に惹かれるジョルジュ・サンドはショパン、ミュッセなど多くの男性と恋愛遍歴を重ね、彼らの現実の面で欠けている部分を補い、支えていきます。女性であるがゆえに社会から人間として認められず理解されなかった時代に、自分の信念を貫き通し、生活の糧を得るために書き続けたジョルジュ・サンド。こやま峰子さんが歩んでこられた道と重なって見えてきます。こやまさんのジョルジュ・サンドへの愛をたっぷりと感じられる1冊です。

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今こそ読もう、この一冊!!207

『夢につばさを 世界中のこどもたちに』

こやま峰子/作 葉祥明/絵 リッキー・ニノミヤ/英訳 金の星社 1997年12月

  本書は世界の戦災孤児の救済を行っている国際NGO「日本フォスター・プラン」(現在「プラン・インターナショナル」に改名)の協力のもとに作られた絵本です。この絵本の収益の一部はこの団体を通じて世界の子どもたちの飲料水改善のために使われています。

「学校で勉強がしたい」それがベトナムの少女トゥイの願いです。でもトゥイは家にとっ

ては大事な働き手。出産のため診療所に入院したお母さんにかわって、トゥイはブタやニ

ワトリの世話、くだものの手入れをします。めでたくトゥイの妹が生まれます。でも妹はベトナム戦争でまかれた枯葉剤の影響からか目がみえません。トゥイは学校に行けるようになり、そこで夢を語ります。その夢は・・・・・。戦争、疎開体験を経験しているこやま峰子さんだからこそこのベトナム戦争の現実に共感できたものがあったかと思います。それはあとがきのこやま峰子さんの文章にも表れています。葉祥明さんの素敵な絵はベトナムで起こっているいろいろなことを想像させてくれます。また、音楽は世界の共通語ということから、こやま峰子さん作詞、中田喜直さん作曲の「夢をうたおう」が楽譜とともに載っています。

5月10日の特別例会では、こやまさんの戦争体験からこの『夢につばさを』につながる話が聞けるかと思います。(笠井英彦)

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